宮崎県

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あなたのいい場所でありたい~イメージチェンジ!こども食堂~ 

「公開ワークショップ 話そう!広めよう!食べるだけじゃない!?こども食堂で起きていること」in宮崎 開催レポート

こども食堂10周年記念全国ツアー「公開ワークショップ 話そう!広めよう!食べるだけじゃない!?こども食堂で起きていること」。

全国47都道府県でワークショップを開催しよう!という本ツアー、第9回目の開催地は宮崎県。2023年9月23日、都城市中央公民館大会議室で行われました。

宮崎県には現在81カ所のこども食堂があり、その約半数が宮崎市内。年々増加傾向にあり、地域のつながりづくりへの貢献が期待されています。今回のワークショップは、みやざき子ども未来ネットワークとぼんち地域子ども食堂ネットワークの共催で、宮崎県都城市にて開催されました。「こども食堂は、限られた人だけが訪れる場所」という印象を変えたいとの主催者の思いから、「あなたのいい居場所でありたい~イメージチェンジ!こども食堂 ~」というテーマを掲げ、こども食堂を運営する方やこども食堂に関心を持つ方など50名が参加。地元の高校生がボランティアで会場運営を手伝い、幅広い世代の集う和やかな会となりました。

それでは、今回も登壇者のみなさまが実際に経験したエピソードをもとに語られた、「食べるだけじゃない」こども食堂の魅力をご紹介します。

多世代の拠りどころ、こども食堂

本ツアーで実施するワークショップでは、こども食堂の運営者のみなさまに、一人ずつ心に残っているエピソードを伺っています。どのエピソードも、ハッとさせられたり、心温まったりするものばかり。特に印象的だったエピソードを抜粋してご紹介します。

“お客様”からお互い支え合う存在に

牟田町子ども食堂(都城市牟田町) 有川美樹子さん:

約3年前から来てくれている中学生の男の子がいます。当時は小学5年生。家族で来るのも嫌な年頃だったのでしょう。声をかけても「僕は食べない」と一言。私もこども食堂を始めたばかりの頃で、接客業の経験から、男の子にも丁寧な言葉で接していました。家族の中で彼だけ食べないことが続き、これではいけないと、あるとき「ばあちゃんが作ったんだから、食べやーよ。」と方言で話しかけてみたんですね。すると、彼の表情が緩んだのです。その出来事をきっかけに食べてくれるようになり、今では友達を連れて来てくれています。私が彼への接し方を変えたのは、彼に居心地のいい場所をつくってあげたいと思ったから。料理への関心が高いことに気づき、お弁当の味つけの感想を聞いたり、次のメニューの相談をしたりしています。「この前のから揚げは味が濃かった」など素直な感想をくれるので、私も頼りにしています。地域にはまだ、「こども食堂でお弁当をもらうのは恥ずかしいこと」と感じられる方もいるようです。活動を続けながら、誰もが立ち寄りやすい場所にしていけたらと思います。

カーテンの前に座るスーツを着た男性

中程度の精度で自動的に生成された説明
牟田町子ども食堂(都城市牟田町) 有川美樹子さん

みんなでつくる子どもの成長の場

地域食堂まる(都城市太郎坊町) 松山真由子さん:

私たちのこども食堂では、大広間で幼児から高齢者までみんなで集まって食べています。コロナ禍も一度だけ中止にしたことはありますが、会食を続けてきました。食事の前には、地域の方の紙芝居や演奏があり、みんなで経験を共有することを大事にしています。あるとき、小学校高学年の兄弟が来てくれたのですが、とても内気で、話しかけても一人が小さな声でなんとか返事をしてくれるくらい。一人はもう一人の陰に隠れてしまっていました。食事はおいしく食べてくれていたので、最初はごはんの話題から始め、お手伝いに誘ったりしているうちに、だんだんと場になじんでいってくれました。5回目ぐらいからはお手伝いにも参加し、今ではすっかり違和感なく過ごしています。小さい子が好きなようで、片づけ後にはすすんで相手をしてくれ、楽しく遊ぶ姿も見られるようになりました。周囲のちょっとした声掛けや接し方が子どもの力を引き出し、子どもは自ら成長していくことができるのだなと嬉しく思う出来事でした。

病室にいる男性

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地域食堂まる(都城市太郎坊町) 松山真由子さん

高齢者にごはんと元気を届ける地域食堂

地域食堂イロトリドリ(都城市下長飯町)谷口郁代さん:

私たちの食堂がある地区は高齢者が多く、子どもが少ない地域です。孫以外の子どもが遊ぶ姿を見かけることはほとんどありません。食堂は毎月1回、50~70食をテイクアウトで提供しています。利用者の9割近くは高齢者。近くに親戚がいない方も多いので、安否確認のために来場者の情報をスタッフ間で共有することにしています。あるとき、自分に何ができるのか、考えさせられた出来事がありました。毎週食事を届けていた方から、「来週からはもういらない」と言われたのです。そのときは、親族の方が来られるようになったのかと思いましたが、その後体調を崩されて入院し、そのまま亡くなってしまいました。その出来事以降、声掛けをより一層大切にするようにしています。お一人で頑張っている方に、「頑張れ」という言葉を使っていいものか迷っていたとき、「頑張れ」は「顔晴れ」と置き換えることもできるという話をラジオで聞きました。それからは、私の元気を届けるような気持ちで「頑張ろうね!」と声をかけています。その方の心が軽やかになるように、私も明るい気持ちで接することを心がけています。

カーテンの前に立っているスーツを着た男性

中程度の精度で自動的に生成された説明
地域食堂イロトリドリ(都城市下長飯町) 谷口郁代さん

地域に開かれ、地域でつくるこども食堂

登壇者の発表を聞いた後は、会場のみなさんとのQ&Aの時間を設けました。「どんなことをすれば、こども食堂の役に立てるか?」という質問では、まずはじめは「こども食堂に来てほしい」とのこと。そして困りごととして、すべての登壇者が挙げられたのが人手不足。そのときによって集まるボランティアの数が違うため、少しでも手伝ってくれる人がいると助かるというお話でした。自分の地域にはまだこども食堂がないという方は、こども食堂を支援するネットワーク団体への寄付するという手段もあるそうです。そのほか、「食材はどうやって集めているのか」という質問では、地域のお店や住民の方々の支援によってこども食堂が支えられている様子が伺えました。

こども食堂を体験しよう!

子どもから高齢者まで幅広い年齢層にとって、こども食堂が地域の居場所になっていることが伝わってくるワークショップでした。このレポートをお読みのみなさまも、「食べるだけじゃない」を体験しに、ぜひお近くのこども食堂に足を運ばれてみてはいかがでしょうか。

宮崎県でこども食堂の活動に取り組まれているみなさん、ワークショップへのご協力を誠にありがとうございました。

人, グループ, 建物, フロント が含まれている画像

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【開催概要】

「子ども食堂公開ワークショップ 『話そう!広めよう!』~食べるだけじゃない!?こども食堂で起きていること」in 宮崎

開催日:2023年9月23日(土)10:00-12:00

開催場所:都城市中央公民館 大会議室     

主催:みやざき子ども未来ネットワーク、ぼんち地域子ども食堂ネットワーク、特定非営利活動法人全国こども食堂支援センター・むすびえ 

登壇者:谷口郁代(地域食堂イロトリドリ/都城市)、岡本愛子(地域食堂おひさま広場/都城市)、川﨑浩(地域食堂じゅうじ屋/都城市)、末永陽子(地域食堂ばぁばのお勝手/都城市)、松山真由子(地域食堂まる/都城市)、有川美樹子(牟田町子ども食堂/都城市)、藏元盟子(りんりん食堂/北諸県郡三股町)

※こども食堂名五十音順

ファシリテーター:山角直史(特定非営利活動法人全国こども食堂支援センター・むすびえ)

当日の概要を動画でご紹介しています。ぜひこちらご覧ください。

(作成:ぼんち地域子ども食堂ネットワーク)