(テスト)こども食堂の存在が、子どもを、地域を変える
「公開ワークショップ 話そう!広めよう!食べるだけじゃない!?こども食堂で起きていること」in岩手 開催レポート
こども食堂10周年記念全国ツアー「公開ワークショップ 話そう!広めよう!食べるだけじゃない!?こども食堂で起きていること」。
全国47都道府県でワークショップを開催しよう!という本ツアーの、記念すべき第1回目の開催地は岩手県。
2022年8月28日、二戸広域観光物産センターなにゃーと イベントホールにて開催しました。
こども食堂がない地区も多いという、岩手県の県北地域。こども食堂は「貧困家庭のための場所」というイメージがあるためか、「私たちの地域にはそのような子どもはいない」と受けとめられやすく、こども食堂の必要性が十分に伝わっていないという現状があります。
しかしこども食堂は、本当に「食べることに困っているこどものためだけの場」でしょうか。今回登壇してくださった団体の代表者のみなさまが、こども食堂の持つ、多様な価値を感じさせるエピソードを語ってくれました。
やっててよかった! こども食堂
本ツアーで実施するワークショップでは、こども食堂の運営者のみなさまに、1人ずつ「やっていてよかったと感じるエピソード」を伺います。その後、参加者のみなさんに「自分の住む地域で、自分がこども食堂を運営するとしたら、どのエピソードのようなことが起きてほしいか」を考えていただきました。
どのエピソードも、ハッとさせられたり、心温まったりするものばかり。優劣をつけるものではありませんが、特に得票数の多かったエピソードを抜粋してご紹介します。
顔を隠すようにやって来た親子。その思いは……?
インクルこども食堂(盛岡市) 川守田栄美子さん:
コロナ禍以前のこと。商店街の「材木町よ市」のタイミングに合わせて、「どなたでも来てください」と実施していたこども食堂。夕方にも関わらず、帽子・マスク・サングラスをつけたお母さんと、キャップを深く被った息子さんがやって来ました。会話も弾まず、気になっていたけれど……3回ぐらいして、帽子やサングラスがはずれ、素顔でやりとりができるように。ウェブ検索でこども食堂を見つけたというお母さんに、少しずつ話を聞いてみると、「ひとり親で、息子が大人の男の人と話ができないので、ここであれば話ができるのではと」という願いがあったことがわかりました。それを受けて、男性スタッフにも積極的にかかわってもらうように。
親子はその後もずっと通ってきていましたが、息子さんが中学生になり、一緒に来ることがなくなりました。ただ、お母さんはというと、こども食堂を通じて地域のみなさんとつながり、1人でも通い続けたいとの思いが。今後はボランティアとしてかかわることも検討されています。